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イングランド対トンガ
10月15日 13:00トゥイッケナムスタジアム (イングランド)

 イングランドの本拠地、トゥイッケナム競技場。イングランドの最終予選、ほとんどがイングランドサポーターだった。いわばミレニアムスタジアムにおけるウェールズ戦のような一方的な観衆である。そうなるとどうしても、トンガを応援したくなるのが日本人。しかし、われわれの期待を引き裂いたのは、ゲームの裁き人(レフェリー)だった。発端はハイパントが上がった前半、イングランドのフルバック(ぺリー)がジャンプしながらキャッチした瞬間、トンガのフルバックが浮いているペリーの足をすくったのだ。ペリーの頭はそのまま地面に叩きつけられた。
 当然、その場で危険なタックルとしてペナルティーが与えられた。問題はここからである。レフェリーがその行為を裁いたのにもかかわらず、イングランドの右プロップ・フィルは怒り余ってトンガのフルバックに飛び掛ったのである。近くにいた選手がこの乱闘を必死に止めた為にすぐにおさまったのだが、今度はその興奮地帯から遠く離れたトンガの右プロップが殺気立ってイングランドの選手に飛び掛ってしまったのだ。どちらも完全な報復行為である。ラグビーのルールにおいて、仕返し行為はかなりの重罪だ。ブーイングは巻き起こり、主審はまず、最初に危険なタックルを犯したトンガのフルバックにイエローカードを与えた。同じくイングランドの右プロップにイエローカードを。続いて、トンガの右プロップが主審に呼ばれた。さらに大きなブーイング。期待するイングランドサポーターを裏切らず、出されたカードは赤。すなわち退場である。仕返し行為としては、どちらの右プロップも同罪であるにもかかわらず、非白人が一人、グランドから去った。たくさんの仮定が許されるならば、この判定は大きな議論を生むだろう。差別をするものはつねに利益が伴い、心地がいい。人はハッピーなハプニングを分析しようとはしない、ただ喜ぶだけである。しかし、差別されるものは、どうして?って考えるのである。7万の観衆は喜び、トンガ人と日本人は考えた。もしかしたら、トンガの選手も試合中、その理由を探していたかも。トンガのコーチは、「大きな国と小さな国の差」と新聞に答えた。
 101対10。トンガの赤いジャージは燃えなかった。悔しさと寂しさが残る。

 ラグビーはつねにイコールコンディションを求めるスポーツである。ルールはつねに平等と円滑をめざし、毎年変更や改正を続ける。確かに、ルールはそれに追いついてきた様に思われるが、しかし、裁き人(レフェリー)をそれに近づけなければ、プレーヤーはグランドで考えてしまうのである。

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